町長室だより

更新日:2025年05月16日

上松町長就任あいさつ

村田町長

 4月5日付で町長として就任を致しました、村田 広司と申します。
 無投票という結果ではございましたが、皆さんと町づくりに取組む機会を頂いた事をうれしく思います。
 今回の選挙を通して、町中をくまなく歩く機会がありました。その中で、色々なお話を聞き、色々と感じるところがありました。
 感じた事の1つ目は、住民の皆さんの生活や環境の事です。空き家が多く、高齢者だけの世帯が多い(これは山間地域ばかりでなく町中も同様です)、遊休農地・荒廃農地が大変目立つという事で、地域の守り手が大きく不足してきていることを改めて実感しました。
 2つ目は、住民皆さんの心の事です。寂しいよ、いい町にしてくれよという声を多く聞きました。話し相手がいなくてつまらない、集まってお茶を飲んだりする場所がない、場所があってもそこまで行けない等々、行政への期待を大きく感じました。
 今はまだ何とかなっていますが、五年後、十年後にはこの町はどうなっているのかと言う、大きな危機感を持っています。
 そのうえで、どういう町を作りたいかという事です。このままの状況が続いて行くと、生活の利便性の低下や生活環境の悪化、地域コミュニティーの力が低下し、若い人の転出が増え、それに伴い出生数が減少し、更に人口が減少するという負のスパイラルがどんどん進んでいきます。これをどこかで断ち切る必要があります。
 私は、行政の最大の使命は、住んでいる人が、「ここに住んでよかった」と思えるように、幸福度を高めることだと思っています。コミュニティーの担い手が減少し、生活の利便性が低下する中で、一人一人の人がここで心豊かに暮らすために、生活や心の満足度を高めて、「幸せを実感できる町づくり」を進めたいと考えています。
 もう1つは、町の資源の積極活用と地域内経済の好循環構造への転換と言う事です。木曽は、上松は、何もないという人がいますが、きれいな空気があり、きれいな水があり、豊かな森林資源があります。また、赤沢や寝覚の他に、西の谷から見た中央アルプスのロケーションのような魅力的な観光資源があります。視点を変えれば空き家だって資源ですし、使っていない荒れた農地だって資源です。穏やかな町の人の人柄も立派な資源です。
 町づくりは経済政策でもありますので、有効に使っていないこれらの資源を積極的に活用しながら、外貨を取り込み、地域内で循環させて、未来につながる持続可能な町づくりを目指したいと考えています。
 では具体的にどうしていくのか。端的に言うと、行政の目指すべき姿を「住民の幸福感を向上させる」と言う所において、各種施策はそこからブレークダウン・・関連付けをさせていきたいと思っています。それが、住みやすい町づくりにつながり、ひいては移住・定住を含めた人口減少対策にもつながってくると思います。
 財政的には厳しい状況ではありますが、大屋元町長と共に着手したものを完成させると共に、皆さんと一緒になって、近隣町村、広域的な連携を含め、新たな視点をもって課題の解決や町づくりに取り組んでまいります。
 終わりになりますが、私が普段心においている言葉に、「自未得度先度他」というものがあります。これは、曹洞宗の開祖の道元禅師の言葉で、「自らはいまだ彼岸に渡っていなくても(悟りを得ていなくても)、他の人を先に渡してあげましょう。そういう心を持てば、あなたが彼岸に渡った(悟りを得たと)と同じ事だよ」・・といったような意味ですが、私は、「自分が自分がではなく、常に他の人を思いやる心を持って行動しましょうね。そうすれば、みんなが幸せになれるよ」・・と理解しています。
 私は、飛び抜けた能力を持っているわけでもなく、どんな人間かは住民の皆さんの方が良く分かっていると思います。でも、町のリーダーという立場になったからには、その自覚をしっかり持って、住民の幸せのために邁進する覚悟です。
 言葉は足りませんが、就任に当たって、思っていることの一端を話させていただきました。皆さんと一緒に、「住民が幸せを実感できる町」を作っていきます。
 4年間よろしくお願いします。

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