令和8年度施政方針
更新日:2026年04月01日
令和8年度 施政方針
令和8年度 施策方針
令和8年度施政方針について申し上げ、皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
昨年4月5日に上松町長に着任し、11か月が経過しようとしています。
就任が新年度スタートの時期と重なった事で、昨年度は暫定予算でのスタートとなる中、令和7年度の事業を行ってまいりました。
昨年の就任に当たっての施政方針において、私は、
『人口減少、少子化、高齢化が加速度的に進む中、条件不利地域の自治体は、将来的に自治体としての機能維持が難しくなる事態も想定されます。
上松町が将来に向けて持続可能な町であり続けるためには、未来に向けた産業の育成や生活基盤等の整備を図り、住みやすい魅力のある地域づくりを進め、移住・交流人口の増加を図る中で人口減少を緩やかにし、一人ひとりが、「この町に生まれ、育ち、暮らして良かった」という「幸福感」 を実感できる地域づくりを進めていきたい。
これらを実現していくためには、行政だけでは出来ないものも多いので、住民の皆様と手を携え、外部の企業や大学等とも連携しながら一歩一歩前に進めていきたい』
と述べさせていただきました。
それらを実現するために、「縮充」という言葉を使い、「人口減少は避けられないという現実に向き合う中で、人口や税収が縮小する事をマイナスとしてとらえるのではなく、地域の人が自ら参加して、地域の営みや住民の生活が充実したものになるよう取り組みたい、そのために、町の宝である資源の積極活用(町の宝さがし)を進め、町民が自らまちづくりに取り組む機運を醸成し、併せて、外部資金の取り込みと、その資金が町内で循環する地域内経済の好循環構造実現による持続可能な町づくりを進めたい」と申し上げたところでございます。
本年度は、4年間の任期の2年目になります。この目標の実現に向けて、一歩一歩取り組んで参ります。
●具体的な取組み
2年目の具体的な取り組みについてご説明申し上げます。
町づくりを進めるにあたっては、住民の皆様との対話を大切にして、共に町づくりに取り組む機運を高めるとともに、外部の企業や人材の積極活用による地域振興に取り組んで参ります。
○地域再生の取り組み
地域再生の取り組みでは、町の資源を最大限有効に活用することを目指し、水・風景・空き家・空き地などの未利用資源の掘り起こし図るとともに、企業や自治体等との関係の深化を図り、地域振興に繋げてまいります。
1点目として、令和6年度に策定した「観光振興計画」の推進を図るため、「寝覚の床再整備事業」として、集客の核となる施設整備やトイレ整備を進めます。
現在交付金の確定前のため、交付金動向を見ながら六月補正で予算計上を図り、事業を進めてまいります。
2点目としては、現在町内で準備を進めている古民家ホテル事業の促進を図ります。
民間主導で事業を行うために、「町づくり会社」が新年度早々に立ち上がる予定となっており、3年程度をめどに古民家ホテル開業を目指しています。
それに向けて、新たな物件の掘り起こしや地域住民への理解・参画の促進、地域の文化、食文化資源の掘り起こしなどに連携して取り組んで参ります。
併せて、古民家ホテルを核として賑わいの創出と地域の活性化を図るために、本年度新たに新たな店舗の誘致を進めるための補助金を創設し、起業のための講習とセットにしての展開を図ってまいります。
3点目として、「新しい木の文化の創造」に取り組みたいと考えています。
木曽は木の国であり、上松の未来は木を抜きにして考えることはできません。
かつて町の基幹産業であった林業、木材関連産業の再生と、新たな視点での取り組みを進め、それを町の振興につなげていくために、関係する皆様が主体的にかかわる中で、未来につながる道筋をつけていきたいと考えています。
昨年、木材産業に関係する若手の皆様と役場職員、商工会職員などの有志が集い、町の木材産業の未来について話し合う場を設け、様々な提案を頂いています。
時間はかかりますが、木材という柱でつながった関係者の連携の輪を広げ、協議する中で、地域の未来につながる具体的取り組みにつなげていきたいと考えています。
また、その一環として、地域おこし協力隊が技専校卒業生と連携して開催している「凱旋者」イベントを、他の行事と時期を合わせ、駅周辺の空き店舗を活用して開催することを計画しています。
町内外の人に木材、木工に親しんでいただく機会を設け、将来的に町を代表するイベントとなるよう取り組む中で、中心市街地の活性化、賑わいの創出や新たな出店に繋がるよう取り組んで参りたいと考えています。
そのほかにも、町の財産である赤沢自然休養林の更なる活用についても、伊勢市や神宮等も含めた関係機関と連携を図りつつ取り組んでまいります。
様々な取組みに当たっては、町の子ども達や包括連携協定を締結する愛知学院大学の学生の視点からの提言も取り入れながら進めたいと考えています。
○地域生活の充実
町の人が生き生きと活躍できる地域づくりを進めるために、憩いの場の確保や、住民の皆様が積極的に地域づくりにかかわる体制作りの検討などを進め、地域コミュニティーの活性化を図ります。
それらを進めるために、集落支援員の配置などの支援の在り方の検討を進めるほか、町民各年代層における「居場所づくり」について各課での検討を指示しています。
今年度、新たに自発的な地域づくり活動を支援する制度の創出を図り、自由な発想でのそれぞれの地域づくりを支援します。
また、交通弱者の足の確保や、買い物の利便性の向上などにも関係団体等と連携して取り組んでまいります。
さらに、公園など住民の憩いの場の充実も引き続き検討してまいります。
○産業振興・商業振興
産業振興では、農業法人の設立について研究を進めており、将来的に遊休農地の活用や農業の効率化、特産品開発、農業従事者の所得向上等に取り組みます。
また、上松で生産される豚肉の特産品化を図るために商工会と連携して普及促進の取組みを始めており、各店舗での[上松豚]のメニュー提供が進んでいます。
なお一層の取り組みの促進を図ってまいります。
林業・木工振興では、桶や野根板、網代などの伝統的産業の課題整理をする中で、技術の未来への継承について、関係者と共に協議してまいりたいと考えています。
「地域再生の取り組み」でも申しあげたとおり、木材・木工業界や地域おこし協力隊、上松技術専門校等、様々な人が交わる中で、将来につながる木材関連産業の振興に取り組んでまいりたいと考えています。
商業振興では、前述のとおり、古民家ホテルの取り組みに合わせて、起業支援による新規出店の促進などに取り組み、商店街等の活性化を図るとともに、商工会との意思疎通を図る中で、町内購買力向上(経済循環促進)に向けた既存商業者支援の在り方について検討を行ってまいります。
○資源・エネルギー
資源・エネルギー分野では、町内の豊富な自然エネルギー活用を促進するために、水力発電など環境負荷0のエネルギー活用に積極的に取り組んでまいります。
町内には県企業局で建設した吉野小水力発電所と、連携協定を締結するKANSOテクノスの運営する上松駒ケ岳発電所が稼働しており、現在第二発電所の建設に向けて準備が進んでいます。
さらに、過日協定を締結した八十二Link Naganoにおいても、新たな水力資源の活用を検討しており、それらを推進する中で地域の振興につなげてまいりたいと考えています。
また、養豚場の糞尿や間伐材を活用したバイオマスエネルギーの利用なども、企業と連携して研究を進めたいと考えています。
○生活基盤の整備
生活基盤の整備では、居住環境の改善と生活利便性の向上を図るための住宅の確保を進めてまいります。
住宅不足は定住人口の減少にもつながる非常に大きな課題であり、令和七年度において民間企業者宅の借り上げを行いましたが、今後とも行政による住宅確保策の推進とともに、民間による集合住宅建設誘導策の実施を行うべく準備を進めているところです。
また、町内の不動産業者との連携により、空き家バンク制度の充実や宅地取引の活性化に引き続き取り組んでまいります。
地域内交通の確保では、七 年度において公共交通網の整備が行われましたが、幹線と枝線との連携やデマンドタクシーの充実、ライドシェアの検討なども進め、住民の生活の足の確保に努めます。
郡内唯一の中核病院である木曽病院では、医師不足などにより診療科の縮小や今後出産の対応ができなくなるなどの問題が起きています。
また、開業医も今後減少していく事が予想されており、住民の生命と健康を守り、維持する事は単独町村だけでは解決できない問題です。
そのために、県や他町村、医師会等との積極的な連携促進を図り、課題解決の取り組みを進めます。
○行政
行政面では、人口減少が急激に進む木曽郡内では、様々な課題が顕在化して来ています。
4月からは、広域観光と公共交通の分野で長野県が木曽広域連合に参画する事となり、過日総務省より許可が出たところです。
県、近隣町村との連携を深め、新たな共通課題に対応する体制整備を進める中で、未来に希望の持てる、持続可能な地域づくりを進めてまいります。
町においては、持続的な町行財政運営のために、今回の予算策定に当たり事務事業の点検に着手しました。
7年度は補助費、委託料関係を主として点検を行いましたが、引き続き、事務事業全般についての点検を図り、不要な事業や役割を終えた事業の見直しに積極的に取り組み、財源の確保を図る中で効果的・効率的な行財政運営を図ってまいります。
歳入の確保については、国の交付金や県の補助の積極活用に引き続き務め、重点事業への投資の集中化などを図るほか、ふるさと納税事業のなお一層の充実のために取組みを見直し、財源確保に取り組んで参ります。
次に、複雑化する行政需要に対応するために、組織の一部見直しを行います。
課の所管業務の再編を行うほか、事業執行に関しては、それぞれの課題に対して関連する課が連携して(横串を刺して)対応する形を取り入れてまいります。
また、昨年より始めた職員の受付業務を引き続き行い、職員の意識向上に取り組むとともに、職員の経験値と資質向上のための派遣・交流事業を積極的に行ってまいります。
○教育・子育て支援
昨年1~12月出生数は9名となっています。
少子化により生徒・児童数が減少する中、子供たちの育ちと学びの場の在り方の検討は避けては通れない課題です。
学校や学び場の在り方について、住民、保護者、教育関係者を交えて、引き続き具体的な検討を行ってまいります。
子育て支援は、他の町村に比較してもかなり充実していますが、将来にわたり継続していくためにも、安定的な財源の確保が必要であり、引き続き検討して参ります。
また、小さな子供を安心して遊ばせることができる公園や遊具の整備など、子育て環境の充実も検討してまいります。
○災害に強い町づくり
近年の地球温暖化の影響による海水温の上昇により豪雨や超大型の台風の襲来など自然災害が毎年のように起こっており、自然災害や火災等への備えは安全・安心な暮らしを支える最も重要なこととして取組んでいかなければなりません。
有事に対応する消防団員が減少する中、団員の処遇や団員確保の在り方、地域住民を守る消防団活動の在り方(大規模災害時の対応力強化)や機械器具の在り方、広域消防との連携などについて、消防団と共に更なる検討を進めてまいります。
また、自分たちの地域は自分たちで守るという意識を持っていただくことも重要であり、地域防災の担い手の育成に取り組んでまいります。
こういった課題に対応するために、現在、防災専門官の採用について検討を進めており、今後具体化を図ってまいりたいと考えています。
インフラ関係では、国の直轄砂防事業や県の砂防事業などに積極的に協力・連携して進めるとともに、上松荘や老人ホーム木曽寮の避難路となる下河原地区のアクセス橋の建設に引き続き積極的に取り組みます。
住民の生活を守るインフラの維持に関しては、重要度・緊急度を見極めながら整備を進めてまいりますが、事業を支える土木、建築等の業界保護も重要であり、毎年一定程度の業務量の確保とともに、交付金の積極的活用や外部企業等の投資促進による仕事量の確保にも積極的に取り組みたいと考えています。
●終わりに
以上、新年度に当たっての町行政運営の基本的考え方について、述べさせて頂きました。
町の皆様と一緒になって、未来に希望の持てる、一人ひとりが幸せを実感できる町を作っていくよう誠心誠意努力してまいりますので、皆様のご理解、ご協力を賜ることをお願い申し上げ、施政の方針とさせていただきます。
上松町長 村田 広司