上松ゆかりの戦国武将ブランディングプロジェクト

更新日:2022年11月25日

 

-上松にも戦国武将がいた-

 

 上松町の「歴史上」には、著名な人物はいません。しかしながら、これは「現状、知られていない」だけであって、「上松に人物がいなかった」わけではありません。歴史ファンの中で特に人気の高い戦国時代において、上松には「上松蔵人義豊(あげまつくらんどよしとよ)」や「荻原主水元忠(おぎはらもんどもとただ)」といった現在の地名を名に冠する武将が存在しており、戦国大名木曽氏の存亡に関わるというドラマティックなエピソードを残しているのです。

 こうした「上松の戦国武将たち」の事績を掘り起こし、町の内外に知ってもらうことを目的として、令和4年に当プロジェクトがスタートしました。

 「上松にもこんな武将がいたんだ」と皆様に知っていただくことが出来ましたら幸いです。

 上松町 企画財政課 企画政策係

 

当プロジェクトには「令和4年度 地域発元気づくり支援金」が活用されています

上松ゆかりの武将「上松蔵人」と「荻原主水」イラスト公開

上松 蔵人 義豊 (あげまつ くらんど よしとよ)

<武将解説>

?~慶長元(1596)年

戦国領主木曽義康の子。木曽義昌の弟。上松の天神山に居住し、「上松」姓を名乗る。別名に小笠原内蔵助(おがさわらくらのすけ)。

兄の義昌が武田勝頼から離反し、織田信長についた際、織田家への人質として出される。さらに本能寺の変後は徳川家康への人質となり、後に300石を家康から与えられ徳川家臣となる。

小田原の役にも参陣し、甥の木曽義利の軍を補佐した。

木曽家が下総国網戸(千葉県旭市)へ移封されるとこれに従ったが、義昌が没し、甥の義利が木曽氏の家督を継ぐと、蔵人と義利の間で信長から拝領した「鈴虫のくつわ」という家宝を巡り対立。義利の命を受けた木曽家臣山村良勝・千村良重によって殺害される。

「勇気力量抜群ノ壮士」として周りから畏敬された。また強弓の使い手であり、天神山の館から小脇に立てた的まで矢を放ったという。

天神山麓にある八幡宮は、蔵人の大叔父にあたる玉林和尚が蔵人のために建立したものであるという。また、愛宕山は当時山城であり、蔵人の居城であったと考えられている。

 

荻原 主水 元忠 (おぎはら もんど もとただ)

<武将解説>

?~天正12(1584)年

戦国領主木曽氏家臣。本姓は遠山。荻原に居住したことから「荻原」姓を名乗る。

木曽義康が中津川へ侵攻した際、敵将の安田新七郎を討ち取る功績を挙げる。

木曽家が武田勝頼から離反し、激怒した武田軍が鳥居峠まで攻め寄せた際は、木曽軍先鋒の指揮を任され、急襲により武田軍を撃破。神保治部や有賀備後ら敵将を討ち取り、また配下として戦った原与三衛門、立町玄蕃、諸原新左衛門、西久保左近(荻原四士)も敵36人を討ち取る活躍をするなど木曽軍の勝利に大きく貢献した。

武田氏滅亡後、信長から筑摩郡と深志城(現松本城)を与えられた木曽義昌は、荻原主水・原・馬場・丸山の四将に深志城代を任じ、近隣の統治をさせた。

本能寺の変において信長が没すると、義昌は徳川家に接近。主水は使者として家康に謁見、これにより、木曽家は一時徳川家の配下となる。しかし、その後義昌が徳川を裏切り、羽柴秀吉につこうとすると主水はこれに反対。このため義昌によって暗殺された。ただし一方で、荻原で帰農し天寿を全うしたという説もある。

 

<参考文献>

【史料】

『木曽考』『木曽考続貂』『木曽旧記録』『岩岡家記』『信長公記』『甲陽軍艦』『信濃史料』『高遠記集成』『笠系大成』

【自治体誌】

『上松町誌 第2巻 民俗編』『上松町誌 第3巻 歴史編』『西筑摩郡誌』

【研究書】

『岐蘇古今沿誌』 武居正次郎 1914年 発行堂

『木曽伊予守義昌 武田、織田、徳川、豊臣と主を変え、木曽谷の領地を守ろうとした木曽義昌の一代記』志村平治 2021年 歴史研究会出版局

イラスト解説

■武将のイラストについて

武将たちの紹介にあたり、メインビジュアルが必要と考え、イラストを「歴史人物画の巨匠」として著名な諏訪原寛幸氏に依頼しました。

 

<諏訪原寛幸(すわはらひろゆき)氏 プロフィール>

1969年茨城県出身。96年よりイラストレーターとして本格的に活動を開始。
これまで手掛けてきた主な作品は「真・三國無双」「戦国無双」などのゲームキャラクターや月刊「歴史街道」を始めとする出版刊行物へのイラスト提供、日本コカ・コーラより発売された「ジョージア缶コーヒー 戦国時代の武将シリーズ」の作画も努めた。
全国各地で行われる歴史イベントで展示会やポスター制作なども行い、世界中の歴史人物を幅広く手掛ける。
また、作画の域はそれだけに留まらず、心和む縁起物イラストや迫力溢れるモンスターなど制作の幅を現在も広げている。

 

■中学生の活躍

イラストデザインのベースには、上松中学校における総合的な学習の時間「ひのきの時間」のうち「戦国武将」グループに参加した生徒10名による調査とそれに基づくアンケート結果が反映されています。

 

イラストの利用について

「上松蔵人」・「荻原主水」オリジナルイラストは、みなさまにもご利用いただけます。
ご利用にあたっては、イラスト版権元である株式会社七大陸との間で下記の対応をしていただく必要がございます。

(1)広報目的の場合
 イベントのチラシや配布目的のもの等、無償で提供する制作物をつくる場合は、事前デザイン確認とクレジット記載が必要となります。

(2)販売目的の場合
 販売を目的としたグッズの作成や、イラストを既存製品のパッケージに利用する場合等は、(1)の対応に加え、ライセンス契約の締結及び権利使用料(製作点数×商品上代の5%)の支払いが必要となります。

 

また(1)・(2)ともに完成した制作物は、6点を株式会社七大陸へ納品する必要があります。

 

詳細やご相談につきましては上松町 企画財政課 企画政策係までお問い合わせください。

この記事へのお問い合わせ先

企画財政課

住所:長野県木曽郡上松町大字上松159-4/ 電話番号:0264-52-4901/ FAX番号:0264-52-1038

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